亜人という漫画を読ませて貰った。
絵は『AKIRA』、ストーリーは『寄生獣』という印象である。
真っ先に思ったのは、人間のリアリティがないということ。
不死がどうとか、IBMがどうとかというのは、
そういう設定、ストーリーなのだから納得できる。
けれども、不死というだけで別段犯罪者でもない亜人が一般人から嫌悪、
差別されているのはどうも腑に落ちないし、
主人公が亜人だと分かったとたん、
周囲の人間が単なる噂に過ぎない懸賞金目当てに手のひらを返し、
捕獲しようとする様は
どうにも人間的なリアリティが感じられない。
それから主人公の性格のブレ。
当初は周りが亜人を人間扱いしないことに違和感を覚えたり
親友を気遣ったり、追い詰められても人殺しはしないというような、
優しさを持っていたのだけれど、ある場面では突然
人を見捨てたり、別の局面ではやっぱり助けたりと、
場面によって思考と対応が全く違うのである。
たとえば寄生獣では右手に寄生していたミギーが、
一部脳に入ることによって主人公の性格が変化した、
という説明がなされる。
しかしながらこの作品ではそういう説明は一切無い。
これは単に作者や編集者のブレなのか、あるいは伏線(実は何度か頭部を切り離して死んでいたりというような)
なのか、私には分からないが、
人物の言動が、ちょっと都合が良すぎるような気がする。
ただ、9巻まで読んだけれども、続きは大変気になる。
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