NHKのBS1でこんな番組がやっていました。
長野県と岐阜県にまたがる乗鞍岳を舞台に、ひたすら坂道を上り続ける自転車レース。「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」は標高2700m付近のゴールを目指し、急こう配を平均時速20キロで走り抜ける大会。番組では、5度目の優勝を目指す森本さん(34歳)が、ケガや失職など人生のどん底から復活をかけ、今年のレースに挑む姿を追う。
放送日:10月13日(月)21:00~21:50 NHK BS1まず驚いたのがこの方の経歴。
なんと東大卒!
そんでプロのレーサーだった経験もあり!……と聞くと華々しい人生のように思われますが、
実際はプロレーサーだった期間は一年で、怪我や不調で契約を打ち切られたそうです。
しかも仕事を辞めてプロになったので、この時点で無職になってしまわれました。
競技用自転車の部品の製造も手がける町工場に就職され、現在は旋盤工として働きながら
レースに参加されていらっしゃるそうです。
乗鞍では4度の優勝経験をお持ちですが、最近は調子を落とされ、
事前のレースでは14位とか27位とか、やはり調子が悪いようで。
そこで徹底的に体を鍛えるため、坂道をひたすら駆け上がる朝練をしたり、
休日にロングライドをしたり自転車に乗る機会を増やされたのでした。
さらに、会社が製造するハブやホイール、チェーンリングを装着し
自転車自体の性能も向上させるのですが、問題が一つあったのです。
それは、従来つけていたパーツより重い、ということ。
森本さんの希望は総重量6.5キロの自転車。
一方、会社の部品を取り付けた自転車の総重量は7.5キロ。
ヒルクライムレースは一般的に軽い自転車の方が有利と言われていますから
森本さんとしては軽い自転車を望んでいらっしゃいましたが、
会社側の言い分は、現在のパーツは軽さを優先した結果強度に問題があり、
たとえばハブ軸が走行中に歪んでロスが生じている、とのこと。
結局会社側に押し切られる形でレースに参戦することになるのですが……
結果優勝しちゃうんですよね。これが。もちろん大部分森本さんの努力のたまものなんでしょうが、
会社の技術者達が主張する、軽さがすべてではない、という価値観は、
今後、ヒルクライムレース用のロードバイクのあり方を変えるんでしょうね。
いや、おもしろかったです。
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